お金借りる為の方法

奨学金を借りる前に絶対に知っておきたい知識完全ガイド~申し込み、借りる期間など

奨学金を借りて高校や大学に行く人が増えています。残念ながら、ここ20年、日本の経済は回復せず、実質的な賃金は伸びていません。しかし、大学などへ行くニーズは変わらず高いままで、家計が苦しい中で奨学金をもらって進学し学業に励まざるを得ない人が増えています。

今回は奨学金について様々な角度から解説します。奨学金の種類、申し込み方法、返済の有無、借りる期間、返済方法など、初めて奨学金を申請しようとしている方でもわかりやすく解説します。お金がなくて進学をあきらめるのは大きな損失です。返済不要の奨学金もあるので絶対にあきらめえないでください。

奨学金を受けられる条件や人数は年々拡充されています。

奨学金を受給して大学に通っている人は珍しくいない!現代の奨学金動向

パソコンに向かって手を振る男子学生
「奨学金」と聞くと「苦学生」「家が貧しい」「お金がない」「家庭に問題がある」などネガティブな印象を受ける人が多いですが、実は奨学金をもらって進学している人は少数派ではありません。以下に現代の奨学金をめぐるデータをお示しします。

奨学金受給率は約50%!少数派ではない

長らく経済成長が止まっている日本では、奨学金を受給している学生が年々増えています。

大学学部の奨学金受給率は

1998年 23.9%
2018年 47.5%

冗談抜きに20年で受給者が倍になってしまいました。これはコロナウィルス拡大前の数字ですので、当然2020年や2021年はもっと奨学金受給率が上がっているはずで、50%以上の受給率になっていると思われます。ちなみに大学院生の受給率はもっと高く、60%前後の年もあります。

奨学金を受給している人が多数派で、大学進学と奨学金受給を一緒に行う人が多数派になっています。奨学金は当たり前になっていると解釈できます。

政府の奨学金政策~給付型奨学金の拡充

政府もこの状態を手をこまねいて見ているわけではなく、奨学金制度を拡充しています。「教育無償化」と同じくらいのタイミングで以下の政策を実施しました。

  • 日本学生支援機構の給付型奨学金新設
  • 貸与型奨学金の拡充
  • 貸与型奨学金の基準緩和
  • 無利子奨学金の枠拡充
  • 奨学金返済方法の変更、より返済しやすい方法に

無利子奨学金については、条件を満たす人はすべて借りられるようになりました(それまでは定員あり)。また、卒業後から一定額を返済し続けるのは大変だ(当然若いうちの返済が負担になる)、という声もあり、それを改善し毎月の返済額を増減できるようにしました(これまではすべて一律の割合で返済)。

進学したい人が進学できる社会に!給付型や無利子の奨学金があります。|政府広報オンライン

以前と比較して奨学金は借りやすくなり、借りる方が多数派になっています。恥ずかしいことではありません。

奨学金はいくら支給されるの?~代表的な奨学金をピックアップ

奨学金申請書類とペン
奨学金を受けるうえで最も気になるのが受け取れる奨学金の金額です。ここでは、代表的な日本学生支援機構の奨学金、あしなが育英会の奨学金、Z会(あの通信教育のZ会)奨学金を例に挙げてみましょう。大学生の奨学金を例に挙げます。

給付、貸与、利子云々はこの次の項で解説します。とりあえず、どのくらい受給できるのか奨学金の額を知ってください。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)

国が設立した独立行政法人が運営する最もポピュラーな奨学金です。以前は「日本育英会」という名称で運営されていました。無利子、有利子の奨学金に加えて、2019年より給付型の奨学金もでき。返済義務がない奨学金を受け取れるようになりました。

○給付型、貸与(無利子、有利子)を選択する。貸与型は約20年かけて返済
○給付型   毎月9,800円~66,700円
○貸与無利子 毎月20,000円~64,000円
○貸与有利子 毎月20,000円~120,000円
○日本学生支援機構の給付奨学金と貸与奨学金の併用可能

奨学金の金額は家庭の所得、自宅か1人暮らしか、国公立か私立かで変わります。

受給できる金額が多いのは

所得が低い>>>所得が高い
1人暮らし>>>自宅通学
私立大学>>>国公立大学

になります。

あしなが育英会奨学金

https://www.ashinaga.org/scholarship/for-applicants/

親が病気や災害(道路上の交通事故以外)自殺などで亡くなったり、著しい障がいを負っている家庭のお子さんに支給します。交通事故で親を亡くした方は「交通遺児育英会奨学金」になります。

○給付と貸与の併用。貸与分は無利子で20年かけて返済
○大学生    毎月70,000円(内貸与40,000円・給付30,000円)
専門学校生 毎月70,000円(内貸与40,000円・給付30,000円)
大学院生 毎月120,000円(内貸与80,000円・給付40,000円)

その他、私立大学入学一時金貸与40万円があります(入学金や引っ越し代などに充当できます)

○全国600名採用(大学の場合)
○他の奨学金と併用可能

Z会奨学金

https://www.zkai.co.jp/home/scholarship/

通信教育や参考書でおなじみのZ会が運営する奨学金です。かなり狭き門ですが、条件は破格で、採用された場合相当豊かな学生生活が保障されます。

○給付型奨学金(返済義務なし)
○入学一時金30万円+月額8万円=最大4年間で414万円
○全国5名のみ採用、高校3年次に応募し、論文課題及び、Web 面接あり
○貸与型の奨学金、遺児奨学金(遺児年金)のみ併給可能。つまり、日本学生支援機構の奨学金やあしなが育英会の奨学金と一緒に受給することができます。
○北海道大学・東北大学・国際教養大学・筑波大学・千葉大学・東京大学・東京工業大学・お茶の水女子大学・一橋大学・横浜国立大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・神戸大学・九州大学の各大学に合格した学生のみ(私立大学不可)
○真に経済的援助を必要としており、学業・人物ともに優秀である者(具体的には、世帯収入が給与の場合は年収600万円未満、世帯収入が給与以外の場合は年収300万円未満で、資産が一定額未満の家庭)

主な奨学金の受給額まとめ

主な奨学金について金額をまとめてみました。条件を揃えるため

【大学生 私立 自宅外通学(1人暮らし) 住民税非課税世帯 受給できる最高額】で比較します。

奨学金名 種類 給付 貸与無利子 貸与有利子 概要
日本学生支援機構奨学金 給付/貸与 66,700円/月 独立行政法人日本学生支援機構奨学金。実質国が運営する最もポピュラーな奨学金。
64,000円/月
120,000円/月
交通遺児育英会奨学金 給付+貸与 20,000円/月 40,000円/月 交通事故で親を亡くした学生が対象の奨学金
あしなが育英会奨学金 給付+貸与 30,000円/月 40,000円/月 病気や災害等で親を亡くした学生が対象の奨学金
紺碧の空奨学金(早稲田大学) 給付 90,000円/月 早稲田大学の奨学金。児童養護施設出身者や里親に育てられた人
めざせ! 都の西北奨学金(早稲田大学) 給付 450,000円/年~700,000円/年 一都3県以外で生計が厳しい家庭の学生への奨学金。学部により金額が異なる。文系が安く理系が高い。
青山学院万代奨学金(青山学院大学) 貸与 61,000円/月 大学校友の篤志家の寄付をもとにした無利子奨学金
地の塩、世の光奨学金(青山学院大学) 給付 500,000円/年 一都3県以外で生計が厳しい家庭の学生への奨学金。
公益財団法人 似鳥国際奨学財団奨学金 給付 50,000円/月 ニトリ設立の奨学金。優秀な人にはさらに毎月3万円追加支給。
お値段以上の価値のある奨学金。
Z会奨学金 給付 80,000円/月 通信教育のZ会運営の奨学金。指定の大学の学生のみ受給可能
公益財団法人 朝鮮奨学会奨学金 給付 25,000円/月 在日韓国・朝鮮人家庭の学生向け給付奨学金
公益財団法人伊藤謝恩育英財団奨学金 給付 70,000円/月 イトーヨーカドー設立者の奨学金。指定大学あり
公益財団法人 電通育英会奨学金 給付 70,000円/月 電通が設立した財団の給付型奨学金
公益財団法人松尾育英会奨学金 給付 衣食住学費交通費通信費すべて 男子のみの奨学金。奨学生は同じ寮で寮生活を送る。学費(入学金、毎年の学費)、寮費、食事代、通学定期、通信費等すべて財団が負担。毎月○万円支給というスタイルではない
公益財団法人鹿児島県奨学会奨学金 貸与 50,000円/月 鹿児島、宮崎出身の男性が住む公的寮の奨学金

これらは奨学金のほんの一部ですが、給付型奨学金が意外に多いことが分かります。奨学金=日本学生支援機構のものくらいの認識でいると非常もったいなく、企業が設立した財団の奨学金などに片っ端から応募してみるのもありです。

高校の奨学金係の先生や、大学の奨学金事務をしている職員へぜひ聞いてみて下さい。

奨学金の種類を紹介&解説

図書室にいる女子学生
奨学金と一言で言ってもいくつもの種類があり、それぞれ内容が異なります。バラエティに富んでいる奨学金についてみていきましょう。

無利子、有利子、給付奨学金の違い

奨学金には大きく分けて3つの種類があります。それぞれご理解ください。

1.無利子奨学金

返済時に利子が発生しない奨学金です。つまり借りた金額だけを返済することになり、返済延納、猶予や毎月の返済額を減らして(条件変更)しても、返済する総額は変わりません。少しずつでも返済することができ、利子を気にする必要がありません。

家計が厳しく、成績、人物ともに優秀な人が借りることができます。利子が発生しないということは、運営団体は借主を信用していることにほかなりません。

2.有利子奨学金

奨学金というよりも(教育)ローンに近いイメージです。学校を卒業後、借りた元本に利子をつけて返済していきます。

ただし、利率は年々低下しており、現在は0.2%~0.001%と非常に低利になっています。毎月数万円借りても毎月の返済額に加算される利子は100円あるかないかであり、ほとんど無視できる金額です。

民間あるいは日本政策金融公庫のどのローンの利率よりも低く、実質無利子に近くなっています。

ただし、「利子を支払う」という事実によって、貸与の基準は無利子の奨学金よりも低めに設定されています。

要は親の収入要件さえクリアできれば、成績や課外活動の結果などはそれほど問われません。要は融資に近いので、人物の評価よりも客観的な条件の評価を優先します。

3.給付型奨学金

返済義務がない奨学金です。毎月定額の支給だけではなく、一時金の形で支給されることもあります。ただし、返済しなくてもよいお金を支給するわけで、親の収入の他、本人の成績、大学で何を学びたいのか、志望動機、面接等を総合的に評価して「この人はぜひ奨学金で学ばせてあげたい!」と認められなければなりません。

奨学金を受給された後も、使い道についての報告や「奨学生の集い」のようなイベント参加義務、定期的な面接等課題が出ることもあります。本当に必要な優秀な人にお金を与えるので、もらう方もそれなりの義務を果たすことが求められることもあります。

それぞれの奨学金の特徴を理解していただいたうえで、受給できそうな奨学金を選び申請してください。

奨学金を借りられる金額について

上述のように受け取れる奨学金の金額ですが、給付と貸与(返済義務あり)で異なります。

給付型奨学金の場合は、一時金として数十万円支給されることが多く、その1回きりというケースが多いです。ボーナス的な位置づけになります。

一方、貸与型奨学金の場合、運営団体によって異なりますが一般的に以下のような傾向があります。

  • 金額は 毎月3万円~15万円
  • 金額は 大学院>大学・短大>専門学校・高専>高校
  • 金額は 一人暮らし>実家通い
  • 金額は 私立大学>国公立大学
  • 奨学金が通る可能性は 有利子奨学金>無利子奨学金>給付型奨学金

つまり、一人暮らしの私立大学院生が一番返済義務のある貸与型奨学金を受給することができます。筆者も私立大学院に在籍していましたが、当時、無利子奨学金で毎月82,000円を受け取っていました。これだけあれば、あとは少々のバイトで十分生活することができました。

奨学金の運営団体の違い

奨学金の運営団体についても軽く触れておきます。

1.日本学生支援機構

昔の日本育英会を母体として複数の公的奨学金が1つになり発足した独立行政法人です。実質国が運営する奨学金であり、一般的に「奨学金」というと、日本学生支援機構の奨学金をイメージする人が多いです。

いちばん多くの学生が借りているのがこちらの奨学金です。

2.財団法人等

交通遺児育英会奨学金(公益財団法人交通遺児育英会)やあしなが育英会奨学金(一般財団法人あしなが育英会)、○○財団奨学金など、公的な目的のある財団や団体が運営する奨学金です。

企業が出資している「キーエンス奨学金」(企業のキーエンスが母体)などもあります。公益のために設立されているので、給付型奨学金が多くなっています。

3.大学、学校法人

大学や大学の母体となっている学校法人が、自分の学生のために奨学金を設けている場合があります。支給額は貸与の場合は、日本学生支援機構の奨学金に準じているところが多く、給付型も充実しています。

例えば早稲田大学ならば

  • めざせ! 都の西北奨学金
  • 大隈記念奨学金
  • 小野梓記念奨学金
  • 校友会給付奨学金
  • 紺碧の空奨学金
  • 校友会給付奨学金
  • 早稲田大学芸術学校奨学金
  • 大学院博士後期課程若手研究者養成奨学金(給付)

など多くの大学独自の奨学金を運営しています。

4.自治体

各自治体(都道府県、市区町村)独自の奨学金もあります。地方から都会に出てきた学生に、故郷が奨学金を支給する、これは暖かいエピソードになりそうです。お住まいの(出身の)自治体のHPなどで確認してみて下さい。

5.篤志家

一部の志ある人(篤志家)が奨学金の原資をねん出しているケースがあります。有名企業の社長が奨学金を創設する、みたいな話がありますよね。あのケースに該当します。

例えば、ユニクロの柳井社長が設立した「公益財団法人柳井正財団」が運営する「公募制海外大学奨学金プログラム」などが該当します。

複数の奨学金の利用

複数の奨学金を一度に受給することはできるのでしょうか?答えはその進学先の学校次第です。

多くの大学や短大では、大学が窓口になるものは、貸与を含めて重複受給ができなくなっています。日本学生支援機構と大学独自の貸与型の奨学金は、申請の際の併願ができても、そちらかに採用された場合、もう1つは辞退することになっていて、並行しての受給ができない制度になっています。

ただし、個人で応募できる奨学金については、その人が能力があり、奨学金支給に相当するだけの人だと認められれば、並行して受給が可能です。

日本学生支援機構の奨学金+大学の成績優秀者に支給される給付型奨学金+財団法人の給付型奨学金

のような組み合わせは可能です。是非目指してみてはいかがでしょうか?

企業の奨学金代理返済制度

2021年4月より、個人が借りた返済義務のある奨学金を、就職先の企業が全額肩代わりして返済できる制度が導入されました。

給料からも天引きされず、奨学金返済相当分の社会保険の負担も生じません。優秀な学生を採用したい企業ニーズに応えたものですが、将来の就職先次第ではこの制度を利用できます。

進学時に就職先も考えるとより奨学金を有効活用できます。

新聞奨学生とは?

奨学金はお金を借りる、ないし受け取る制度ですが、住まいの保障もしてくれるものに「新聞奨学生」という制度があります。

これは各新聞社が奨学生を募集し、その奨学生に新聞配達や新聞代の集金をさせる代わりに、奨学金と住まいを提供するというものです。中には学費についても新聞社が肩代わりしてくれるものもありますし、寮のように食事を提供してくれるところもあります。

食住と学費を保証され、奨学金も支給されるという制度でいいことばかりにも見えますが、実際は相当過酷です。

毎日深夜に起床し暗いうちから新聞配達、その後学校へ行き、帰宅後夕刊の配達や新聞代の集金業務を行います。土日も新聞の休刊日以外は行います。

つまり早朝から夜まで働かされ、自分の時間がなく疲労困憊する超ブラックな職場です。

衣食住保障され、俸給をもらいながら勉強する防衛大学校のような生活です。防衛大は土日祝日は休日ですからそれよりも過酷かもしれません(起床は5時とかですし課外活動もできます)。

本当に貧困な家庭の最後の手段と考えておくといいでしょう。新聞奨学生は勉強時間も確保できず卒業できる人が少なく、就活の時間もありません。まさかそのまま新聞の拡張員にはなりませんよね・・。

奨学金と教育ローンの違い

奨学金、特に有利子奨学金と金融機関の「教育ローン」が似ていると上で書きましたが、両者に共通すること、違うことは何なのでしょうか?表にまとめてみました。

奨学金
(学生支援機構)
教育ローン
借主 本人
返済 本人
借り方 毎月一定額 一括で借りる
返済 最大20年 数年~15年
利率 0.001%~0.1% 1.5%~5%
返済開始 卒業後 借入の翌月が原則
成績要件 あり なし
打ち切り あり なし

「奨学金という名の国営消費者金融」などと揶揄されることもありますが、条件面では圧倒的に教育ローンよりも有利です。

ただし、学生本人が就職後、自分の口座から返済していくことになります。親がその分を肩代わりなどという話になると、贈与税とか譲渡所得も絡んでくるため税務の話になってしまいます。

奨学金が上限も決まっていて、毎月の定額貸付になり、教育ローンのように金額を自分たちで決められないので、カスタマイズできないというデメリットはあります。

奨学金は誰でも受給OK?奨学金の受給資格

読書する男子学生
すべての奨学金に共通する受給資格というものはなく、ただし、傾向として、返済の必要がないもの、利子がないもの、有利子のものの順に受給資格が緩くなっていきます。有利子の奨学金は実質、超低利の教育ローンであり、返済能力がありそうな家庭ならば、よほどのことがない限り受給できます。

しかし、利子がない無利子奨学金や、返済義務のない給付奨学金の場合は、その人の人となりや性格が重視されます。社会人ではなく、学生という「安定した収入」がない中でお金を給付、貸与するので、「信用」が得られる人でないといけないからです。

受給資格は以下の項目を総合的に評価して、その可否を決定します。

学業の成績

大学1年生から奨学金を受給する場合や、高校の途中で奨学金を受給する場合は、高校の成績、大学2年生以降や大学院で奨学金を受給する場合は大学の成績が一定以上であることが必要です。特に給付や無利子の場合は成績が重視されます。

高校の成績は5段階で3.5以上、大学の成績の場合は上位2分の1以上は取っておきたいものです。大学の成績の場合、単位を落としていれば大きく不利になります。

家庭の収入

言うまでもなく家庭の収入も奨学金の申請にあたっては重視されます。特に給付、無利子の奨学金の場合、「住民税非課税世帯」(生活保護含む)や「世帯収入が一定額以下(400万円~500万円)」などの要件があります。

学費が捻出できないからこその奨学金であり、事前に自分の家庭の収入、所得等について確認して下さい。有利子奨学金であれば、ほぼ教育ローンと同じ基準で申請できます。

また「母子家庭」「シングルマザー家庭」「父子家庭」「児童養護施設出身」など家庭環境に特段の事情がある場合、申請できる奨学金の選択肢が増えることに加えて、審査の段階で考慮されることもあります。

交通遺児奨学金、あしなが育英会奨学金など特定の家庭環境の人向けの奨学金は、その事情に該当する人のみ応募できます。

自宅通学か下宿か

地方から出てきて一人暮らしや下宿をしている学生の方が奨学金がおりやすくなっています。特に地方自治体独自の奨学金や、地方有力者が運営している奨学金の場合「○○県から出てきて▲▲大学に通っている学生」など、都市部の大学で学ぶために地方から出てきた学生を支援することがあります。

実家通いの場合は、家計費等が節約できるので、奨学金の金額や「申請にあたっての特段の事情」でやや不利になります。実家通いだから奨学金が出ないということではありませんが、一人暮らし(下宿)の人の方が様々な奨学金に応募できることになります。

特定分野に卓越している、高校時代に優れた実績がある

体育会系のスカラーシップはもとより、高校時代の部活や学業(○○オリンピック金賞)など一芸に秀でた人を対象にした奨学金があります。その他にもボランティア活動や語学の検定試験など幅広く、学校の成績以外で受給できる奨学金があり、課外活動等で活躍している人は、それで応募できる奨学金がないか探してみましょう。

特定の属性の人が受給できる奨学金

「交通遺児育英会奨学金」「あしなが育英会奨学金」は親を交通事故や災害で失った学生が受給できる奨学金です。その他にも、頼るあてがない児童養護施設出身者が受給できる奨学金などもあります。

さらに、キリスト教の家庭向けの奨学金など特定の宗教を信仰している人だけが受給できる奨学金など、属人的な要素で受給資格が決まる奨学金があります。

たいていの人は何らかの奨学金の受給資格に引っかかるはずで、現在は収入に余裕があっても今後が見通せない場合や、今後収入減が予想される場合、子どもに自活させるためにあえて奨学金を受給させたい場合なども含めて、どんな奨学金に応募できるのか、高校の先生や大学の奨学課等の事務職員の人と話し合ってもよいはずです。

奨学金の申し込み方法を解説

外出する男子学生
奨学金の申し込み方法についてここでは解説していきます。

奨学金の申請に必要な書類

奨学金を申し込む際には基本的に以下の書類が必要になります。

  1. 申込書
  2. 成績証明書
  3. 親の所得証明書
  4. 志望動機(作文等)
  5. 推薦書(一部奨学金)
  6. マイナンバー(給付奨学金の場合)
  7. 健康診断書(一部奨学金)
  8. 保証人や連帯保証人の署名

成績証明書については本人が用意しなくても、学校側で提出することが多いです。大学に入ってから申請する奨学金については、高校から調査書を取り寄せなくても、大学入試時に提出した調査書のデータを提出してくれるはずです。

以前の奨学金と違うのは、給付型奨学金の場合マイナンバーの提出を求めることが増えていることです。ただし、給付型奨学金は所得税法第九条第一項第十五号の「学資に充てるため給付される金品」に該当するため「非課税」で確定申告等の必要はありません。ただし、不正受給などを防ぐ意味でマイナンバーを提出させているようです。

【所得税法:奨学金は下記に該当】
(非課税所得)
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
十五 学資に充てるため給付される金品(給与その他対価の性質を有するもの(給与所得を有する者がその使用者から受けるものにあつては、通常の給与に加算して受けるものであつて、次に掲げる場合に該当するもの以外のものを除く。)を除く。)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品

親の所得証明書は奨学金の申請にあたって最重要な書類です。確定申告書や源泉徴収票、課税証明書などを所得証明として提出します。

推薦書は主に企業や財団、篤志家等が運営する奨学金の申請の際に提出します。人物として優れていることを第三者に証明してもらうためです。

奨学金をもらっても学業に励みたい意欲と何を学びたいからこの学校に進学したいのか、その理由が問われるので、志望動機はしっかりと作成してください。

奨学金の審査、選考、面接

奨学金の申請書類を提出後審査に入ります。

審査は

  1. 学業成績
  2. 家庭の収入
  3. 人物の評価(志望動機や推薦書より)
  4. 面接

によって行われます。一般的に、有利子の奨学金のように、金融機関の教育ローンに近いものは家庭の収入(家計)の状態によって機械的に審査されやすく、無利子、給付と、奨学生の負担が軽くなる奨学金になるにつれて、人物や学業成績が加味されます。また、ボランティア活動や各種スポーツや芸術の成果(部活動などで実績がある)と加点材料になります。

そういうものがない人は、学業成績と面接でポイントを稼ぐ必要があります。

面接はとても重要です。実は筆者も大学時代奨学金を受給していました。大学1年生で若かったせいか(笑)、面接で失敗しかけてしまいました。

この奨学金を受給することができたら、どのように使うおつもりですか?

面接官

服を買ったり、ゲームを買ったりしたいです

もう一度聞きます(顔を引きつらせながら)。何に使いますか

面接官

(ヤバい!)

法学部なので学術書や判例百選、ジュリスト(法学の情報誌)を購入したいと思います。また学費や家賃等も、学業に支障がない範囲でアルバイトもしながら親に負担をかけないように使います

そうですね。それなら大丈夫ですね

・・優しい面接官で助かりました。実際の奨学金の使い道はもちろん前者でしたが(笑)、建前でも学業を奨励するお金としての使い道を面接時に言わないといけません。面接官が違う人なら落とされていたかもしれません。

在学中は何をしてもいい?奨学金の使い道や打ち切りのケース

見上げる女子学生
奨学金受給が決まれば、基本的にそのお金の使い道は自由です。資金使途が限定された奨学金はほとんどなく、「報告書」「買ったものの明細書」などを求められることもありません。しかし、いうまでもなく「学びを奨めるためのお金」であり、遊ぶ金として優先的に使うのは感心しません。

奨学金としての使い道で望ましいのは・・

  1. 学費
  2. 生活費、家賃
  3. 交通費(通学定期代)
  4. 教材費(教科書や参考書、文具)
  5. 資格取得費用

これらにまず充当する(させる)ようにしてください。

ブランド物購入、ギャンブル、遊興費等に使ってしまうと、卒業後いざという時に困ります。もっと言うと、奨学金を受給し調子に乗ってしまい、さらに学生ローンなどで借金して、さらに返済しなければならないケースが散見されます。

アルバイトなどで汗水たらして稼いだお金ではないので、ありがたみを感じづらく、あぶく銭のように使ってしまう人がいます。それは余計自分自身と家族を追い込んでしまうので、メリハリのある奨学金の使い方を心得てください。

もちろん、友人との交際費に絶対使うなということではなく、貴重な人的交流、学生時代の醍醐味であるコミュニケーションに適度な支出をするのはOKです。

奨学金が打ち切られるケースは?

奨学金は原則として、その学校の最低修学年数支給されますが(大学なら4年生まで、大学院生修士課程なら2年生まで)、途中で支給を打ち切られるケースがあります。

1.取得単位が少ない、ない

単位を落としても1科目とか2科目ならば大丈夫ですが、大幅に単位を落とすと、学業に真摯に取り組んでいないとみなされ、奨学金が打ち切られます。

「2年生終了時に○○単位必須」

みたいな条件を設けている奨学金もあります。

2.留年、卒業できないことが確定した

卒業できなければその時点で奨学金は打ち切りです。最低修学年数ですからそれは当然ですね。その他、学校の規定で2年次留年、3年次留年など上の学年に上がれなかった場合、その時点で奨学金が打ち切られるケースが多いです。

3.犯罪、不祥事を起こす

刑法犯になり逮捕されてしまうなどすれば当然、人物として不適格と判断され奨学金は打ち切りになります。それ以外にも、試験でカンニングをして単位無効、当該年度の履修無効になるケースや、セクハラ等で停学になるなどペナルティを大学から受けると、奨学金打ち切りになります。

けん責や始末書くらいでは、情状酌量の余地ありと判断されるかもしれませんので、起こした内容によります。普通に過ごしていればあり得ない事態ではあります。

4.申請書や志望動機のウソがばれる

年収や学歴、資格等に明確なウソが発覚すれば虚偽の申請をしたことになり、奨学金が打ち切りになる可能性があります。これは融資を受ける場合と同様です。前提条件が崩れるので、これ以上奨学金を支給できなくなってしまいます。

5.親の収入が増える

親の転職や業績好調などで大幅に年収が上がった場合、収入要件を満たせなくなってしまうので奨学金が打ち切られる可能性があります。ただし、親の収入は奨学金申請時のみで毎年収入証明を提出する奨学金は少ないので、そこまで気にしなくてもいいかもしれません。

ただし、将来的にマイナンバーが様々なものと紐づいた場合、親の収入について毎年補足される可能性はあります。

6.奨学金継続願を出さなかった場合

奨学金によっては毎年「奨学金継続願」というものを提出して、受給の意思を示します。これを出さないと、家計が改善されて、奨学金をもらわなくてもやっていけるようになったと判断されてしまいます。

奨学金が打ち切られるとどうなる

在学中に奨学金が上記の理由で打ち切りになった場合、当然ですがすでに受け取った分については返還が求められます。

ただし、在学中に支払えという鬼のような対応は取られないはずで(よほど悪質なケース以外)、在学中は指定の届を出すことで返済が免除され、卒業後から返済が始まります。

また給付奨学金の場合、悪質なケースは返還が求められることがあります。それは給付奨学金受領の際の「誓約書」などに返還する事例が記載されているはずです。給付に値しない人間であることを自ら証明してしまったのですので、その責任は自分で果たさないといけません。

奨学金の返済方法と滞納した場合のリスク

金欠の男子学生
給付型奨学金以外の場合(貸与奨学金)、大学や大学院卒業後、奨学金を返済していくことになりますが、卒業後安定した職に就けないため、返済ができない人が増加していて社会問題になっています。給付ではない奨学金の場合「借りている」ので当然返済する義務が発生します。

返済猶予期間、延納、返済減額

日本学生支援機構の奨学金の場合、最大通算10年間の返済猶予、返済額減額制度があります。災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合は、所定の様式を提出することで返還期限の猶予を願い出ることができます。

経済的に厳しい状況だと証明できれば良いので、就職に失敗した、会社を退職したけど転職先が決まらないなどのケースは問い合わせてみるといいでしょう。

うつ病などで働けなくなった場合も、返済猶予の申請ができます。国民年金の支払いすら免除される状態ならば、奨学金についても当然、延納や猶予の申請は通るはずです。

奨学金の返済免除

かつて、日本学生支援機構が日本育英会と呼ばれていたころ、1998年大学入学の人までは、卒業後、一定期間学校の教師(幼稚園、小学校、中学校、高校)や大学教員として勤務すると、奨学金が免除される(返済しなくてよい)制度がありましたが、残念ながら廃止されてしまいました。

現在、日本学生支援機構の奨学金で免除制度があるのは

  • 大学院で受け取った奨学金
  • 特に優れた業績(論文や研究、スポーツや芸術の分野で卓越した成績)

の両方を満たして、大学長から推薦された人になります。以前と比べると奨学金免除はかなり狭き門になってしまった印象があります。可能ならば給付金奨学金を狙いたいものです。

一括繰上返済の恩恵

日本学生支援機構などの貸与型奨学金の場合、毎月の期日を待たず繰り上げ返済や一括返済をすることができます。これによって、有利子奨学金の場合は、利息分の返済を繰り上げしただけカットすることができます。

実は日本育英会のころの奨学金は無利子の奨学金(1種)は、繰り上げ返済するとその金額に応じて「報奨金」がもらえました。

報奨金を受け取るための条件はいくつか存在し、

  • 第一種奨学金(無利子)であること
  • 平成16年度(2004年度)までに貸与開始
  • 最終返還期日の4年以上前までに一括返還を行うこと

この条件で一括返済すると報奨金としていくらか(返済額の約3%)戻ってくるので、実質奨学金の返済額が減るという素晴らしい制度でした。しかし廃止されてしまいました。

現在はこの制度がなく、一括返済の恩恵は有利子奨学金の利子の部分のみになります。

意図的に返済しなかった場合のペナルティ

奨学金を返済しない場合、延納手続きなどを取らないと、借入を返済しないのと同様に、法的措置を取られる可能性があります。

日本育英会時代の奨学金はあまり強く督促しなかったので、言い方はよくないのですが、踏み倒す人もいました。しかし、日本学生支援機構になり、奨学金の返済についてはかなり強気な態度に出て、法的措置も辞さない態度に変わっています。

奨学金受けた息子亡くし8年、夫婦に265万円の督促状|朝日新聞

この記事のように、亡くなった奨学生の親に延滞金も含めて請求しています。すべての(学生支援機構以外の)奨学金もそうだとは言いませんが、もはや奨学金ではなく、ちょっと利息の低い学生ローンになっている現実があります。

可能ならば給付型や無利子の奨学金を狙いたいものです。

保証人への負担

給付型以外の奨学金を借りる場合、保証人や連帯保証人を設定します。実質ローンと同じなのですが、返済が滞ると保証人たちに請求がいきます。

おそらく保証人や連帯保証人は親族の方ですので、返済できないと家族関係や親せき付き合いが崩壊してしまいます。

返せないときは素直に延納、返済猶予、減額等の届出をして下さい。

奨学金を借りる前に絶対に知っておきたい知識完全ガイド まとめ

元気な女子学生たち
  • 奨学金を借りている大学生は約50%で全然珍しくない
  • 政府は奨学金を拡充する政策をとっている
  • 奨学金には大きく分けて、無利子、有利子、給付型がある
  • 有利子奨学金の利率も0.数%以下で教育ローンとは比較にならないくらい低い
  • 日本学生支援機構のほか財団法人や大学などが奨学金を運営している
  • 在学中にトラブルを起こすと奨学金が打ち切られる可能性がある
  • 奨学金の併用は可能な場合がある
  • 自宅か一人暮らしか、国公立か私立かで奨学金の金額が増減することがある(その場合私立の方が高い)
  • 返済は卒業後からスタート、返せない場合は届け出れば延納も可能
  • 保証人に迷惑が掛からないようしっかり返す
  • 返済がない場合かなり厳格に取り立てる傾向にある
  • 教育ローンよりもはるかに有利な条件なので利用を考えたい